冬真っ盛りの中夏ゲーやるのも乙なものです。
というわけで、今回プレイしたのが向日葵の教会と長い夏休みという作品。

2013年に枕というメーカーから出た作品です。Win11でも動作しました。
――雲間に隠れていた太陽が姿を見せると、夏が覆いかぶさってきた。
明日葉陽介(あしたば・ようすけ)は、8年ぶりに帰ってきた。
彼の人生で恐らく最も重要な日々を過ごしたであろうその場所に。
地に咲く太陽をほこらしげに立つ小さな建物・朧白(おぼしろ)教会、
あるいは向日葵の教会に。「よ──くんっっ!!!!」
「ほんとに、本当によーくん!?」
「ああ、ただいま」
8年前と変わらずに彼を迎えてくれる少女・詠(よみ)
会いに来る少女・金剛石(だいや)
待っていた少女・ルカ
そして、新しく出会う少女・ヒナ。取り壊されてしまう教会を前に、
ボロボロになっていた思い出の場所を再生していく、
ノスタルジックな海辺の教会を舞台にした、明るく爽やかで、しかし切ない、ひと夏の物語──。
結論から言えば「良作」でした。プレイしてよかったですね。
下記に詳しい感想です(ネタバレ成分50%くらい?)
「向日葵の教会と長い夏休み」のレビュー及び感想
共通ルート
共通ルートは短め。話が大きく動くこともなく、若干退屈ではあるんですが、とにかく雰囲気がいい。雰囲気ゲーと言われる所以がよくわかりますね。
背景やBGMは枕作品よろしく美しくて、より一層没入感を高めてくれます。キャラは複数原画家のそれぞれの個性が出ていて統一感はないんですが、気になるほど絵柄が違うってわけではないので、そこまで気にはならなかったです。
とにかく先にも書きましたが雰囲気がたまらない。その分、自分の青春と比べてしまって鬱になる()私もこういうのを経験したい人生だった……
しかし、ヒロイン全員年下というのは珍しいですね。しかも、結構歳離れてますからね。年下好きの人の需要を実は満たしている作品でもありました。
朧白・ヒポポ・金剛石√

キャラの造形といい、名前といい、色々とぶっ飛ばしているキャラでしたね。リボンデカすぎるだろという。
シナリオはまさかの伝奇?ものでしたね。共通ルートでそこまで匂わせはなかったと思うので、結構突飛な印象を受けました。
話のギミックというかトリック自体は大分読みやすいんですが、反則寄りな気はします。
そこまで惹かれないルートでしたね~。
鷺月 ルカ√

年下だけど主人公のお姉さんになりたい系ヒロイン。年下ヒロインしかいない分、ちょっと年上属性をつけようと無理した感があって好き。
一番真面目そうに見えて、一番変態チックなのもギャップがあっていいですね。
普通に「カトリックなので……」と言うのはおいおいといった感じ。今でもあるのかな、ああいうの。
シナリオは結構ホラーで、ちょっと恐いシーンがありましたね。ただ、そこまで重い感じではないので読みやすかったです。そこまでガツンとくるものもなかったけど。
夏咲 詠√

ヒロインの中で一番年上だけど小さいヒロイン。見た目も性格も個人的には一番好きなキャラでしたね。敬語系にも私は弱いのだ。
彼女がどういった存在なのかは物語の冒頭時点で露骨に示されているのでわかりやすいのですが、どうしてこうなったのかに関しては予想できなかったですね。元の詠との対話、希望の待ち合わせというバス停のモチーフ等、完成度の高いルートだと思いましたね。
ただ、エンディング後がひたすらイチャラブというのは構成上仕方のないことなのかもしれませんが、ちょっとダレますね。話自体は既に終わってしまっているので余計に。
野々原 雛桜√

リアル光源氏ルート。幼い頃から育てた少女と成長後に結婚するって、エロゲにありそうでないよね。
OPや公式サイトに既に成長後の姿が出ているのに、実際にプレイすると父性が芽生えそうになるの不思議。ただただ可愛かったですね。
主人公が雛桜を引き取るまでの過程も世の不条理(親に捨てられる)等も交えながら上手く描写されているし、10年後のシナリオも皆の優しさや雰囲気にうるっときてしまいましたね。詠の存在が特に涙を誘う……健気だな~本当に。
とにかく、幸せそうな感じが伝わってくる素敵なルートでしたね。
ただ、月子ルートに分岐しても良かったんじゃないか……? PSP版ではあるらしいけど。
まとめ
好き度:82/100
雰囲気がたまらない良作でした。ボリュームもちょうどいいくらいでしたし、かなり万人に薦めやすい……と思ったんですが、成長後のロリと結婚するという設定は無理か……。
シナリオ的には詠√→雛桜√だけでも十分な感じですので、時間がない方はこの二つだけでも是非やってみて欲しいですね。
また夏になったらプレイしてみたいですね。